「茎や葉は元気だが実がつかない。肥料をたっぷり入れているのになぜ?」
「トマトは肥料を入れないほうがいいと言うのでそのように栽培すると
実が小さく大きくならない』
トマトの肥料にまつわるよくあるお悩みです。
トマトは他の野菜と同じような量の肥料を与えると、
肥料のやり過ぎで、
- 葉っぱと茎ばかり成長して実がつかない
逆に、肥料が少なすぎると
- トマトの実が大きくならない
- 株が弱々しい
という状態になり肥料のやり方にコツがいる野菜です。
ただ、難しいことではないので肥料の与え方を知った上で適切な
肥料のやり方で元気なトマトを育てましょう。
トマトの肥料のやり方を結論から先にお話しすると、
トマトに与える肥料の役割を理解した上で、
株の生長度合いを見ながら肥料を与えることが大切です。
トマトの栽培に必要な肥料の成分、肥料が必要な状態の判断方法
この二つを知ることでトマトの肥料の与え方がわかります。
この記事では、
- 肥料の役割と葉・茎・実に与える効果
- 肥料のやり方の手順とタイミング
- 追肥を与えるかどうかの判断の仕方
を具体的に紹介して、効果的な肥料の与え方をお伝えしていきます。
私は貸し農園で野菜栽培を始めて8年になります。
年間に40種類の野菜を栽培しています。
目次
肥料の三大肥料成分は「チッ素」「リン酸」「カリウム」です。
それぞれの肥料が与える影響として、
成分 | 役割 |
チッ素(N) | 葉や茎を育てる |
リン酸(P) | 花や実を育てる |
カリウム(K) | 根や茎を丈夫にする |
通常の野菜栽培であれば、三大肥料成分が含まれている
「鶏糞(けいふん)肥料」や「化成肥料」を土づくりの際に入れて、
さらに追肥として成長に合わせて肥料を追加していきます。
しかし、トマト栽培の場合は他の野菜と肥料のやり方が異なるので
注意が必要です。
トマト栽培に必要な肥料の種類とタイミングです。
「元肥(もとごえ)」と「追肥」に分けて説明します。
①トマトの元肥(もとごえ)のやり方
元肥(もとごえ)とは、種まきや苗を植え付ける前に
耕地に入れる肥料のことです。
トマト栽培の場合、元肥(もとごえ)は極力控える
ことが基本です。
通常の野菜と同じような量の肥料を入れると、
チッ素成分が効きすぎてしまい、
葉や茎はどんどん生長するけど、花や実をつけなくなります。
適切な「元肥(もとごえ)」肥料のやり方を具体的に説明すると、
【元肥(もとごえ)を入れるタイミング】
- 種まきや苗を植えるまえの1週間まえのタイミングで入れます
酸度調整の苦土石灰は2週間前に入れます。
トマトの実の下部が黒く腐ってしまう尻腐れ病の予防の役割があるので土づくりの際に入れておきましょう。
【与える肥料の種類と量】
- 苦土石灰・・・三握りを均等に
- 完熟牛糞・・・2kg(5ℓバケツ一杯)
- 完熟鶏糞(けいふん)・・一握り(株にひとつまみ程度)
- リン酸肥料(魚粉・骨粉)・・一握り(株にひとつまみ程度)
※1m2あたり
トマトに直接効かせる「完熟鶏糞(けいふん)」は控えめに。
鶏糞にもリン酸は含まれていますが、
より効かせるためリン酸肥料を別に入れます。
リン酸肥料を多めに入れることで
大きなトマトの実をたくさんつけるようになります。
大玉トマトの場合は特にリン酸肥料を少し多めに入れます。
私は、鶏糞(けいふん)肥料や化成肥料を使用していますが、
実つきに必要なリン酸を多め、尻腐れ病の予防にカルシウムを含んだ
トマト栽培に最適な成分をまとめた「トマト専用肥料」もあります。
・これからトマト栽培を始める初心者の人
・肥料の種類がわからないので、
トマト栽培に間違いのない肥料を選びたい
という方にはピッタリです。有機物が配合された肥料で、
土づくりの際の元肥(もとごえ)や追肥の両方に使えます。
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②トマトの追肥のやり方
次にトマトの追肥のやり方です。
追肥も元肥(もとごえ)同様、肥料は少なめです。
追肥の場合は、根が広がっているので
株元ではなく、うねの両端にパラパラとまきます。
※黒マルチシートをしている場合は一度剥がして同様に両端にまきます。
【追肥を与えるタイミング】
- 1番初めの花房に実がついたタイミングから、3番、5番目と
奇数の花房に実がついたタイミングで追肥する。 - 必ず追肥が必要ではなく、葉や茎の状態を観て判断する。
【株の花房の数え方】
【与える肥料の種類と量】
- 完熟鶏糞(けいふん)・・・一握りをまんべんなく
※化成肥料やトマト専用肥料でもOK
※1m2あたり
トマトの葉や茎の状態を見て追肥が必要かどうかを
判断しましょう。
トマトの追肥は、
株の葉先(先端部)の状態を見て必要な場合のみおこないます。
必要以上の肥料を与えることでトマトの実がつきにくく
なるので注意が必要です。
追肥が必要かどうか判断基準は以下の通りです。
①追肥が必要な状態
下記の状態の場合は追肥をおこないます
- 主枝が弱々しく細い(全体的に元気がなく弱々しい)
- 主枝の先端の葉っぱが上を向いている
このような状態は肥料不足です。
追肥をおこない株に栄養を与えましょう。
【肥料が不足していて追肥が必要な状態】
①追肥を与えてはいけない状態
追肥が必要のない状態は、
- 株全体が元気
- 茎や葉っぱの色が濃い緑色
- 先端部の葉っぱがくるっと内側に巻いている
この状態は肥料過多です。
このまま成長すると実がつきにくい、大きく育たなくなります。
【追肥が必要のない肥料をあたえすぎの状態】
いかがでしょうか。トマトの肥料のやり方がわかりましたか?
トマトは基本肥料を必要としません。
ただ、株や実を大きく育てるためには最低限の肥料は必要なので、
状態を観ながら必要の有無の判断が必要です。
記事の内容をまとめると、
- トマトにチッ素成分を多く与えてしまうと、葉や茎が旺盛に育ち
実がつきにくいので注意 - トマトの花や実をつけやすくするためにリン酸成分は多めに
- トマトの株の状態を観て、追肥が必要かどうかを判断する
- 肥料を与えるタイミングを量を守り効果的に
以上がトマトの肥料のやり方です。
この記事がトマトの肥料のやり方で悩んでいる人のお役に立てれば嬉しいです。
長くなりましたが、最後まで読んで頂いてありがとうございました。