カリフラワーはブロッコリーと比べると影が薄い存在でしたが、最近はお米の代替食品として注目されています。そんなカリフラワーを自分で栽培して食べられたら嬉しいですよね。そこで、今回はカリフラワーの栽培方法をご紹介します。カリフラワーの栽培難易度は高めですが、ポイントをおさえれば、問題なく栽培・収穫できますよ。
私は畑で野菜栽培をはじめて10年になります。
年間で約40種類の野菜を栽培しています。失敗と成功繰り返しですが
自分で育てて収穫した野菜を食べるのは格別です
目次
はじめに、カリフラワーの栽培に必要な用具・肥料などをご紹介しますね。
種から育てるか、苗を購入するかは、どれくらいカリフラワーを収穫したいかによって決めましょう。
用具・肥料 | 使用用途 |
クワ | 畑を耕してふかふかの土を作ったり、畝を作ったりできます。 |
堆肥 | 枯れ草などの植物や家畜のふんを発酵させたものです。土の中の植物の成長に有効な微生物を増やし、土の状態を改良できます。 |
化成肥料 | 化学的に作られた肥料のことです。 販売されている化成肥料には、窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)のバランスが表示されています。 |
苦土石灰 | 岩石が原料で、アルカリ分が53%以上含まれています。日本の土は酸性雨の影響もあり酸性に傾いているので、これをまいてpHを調整します。 |
種 | (多く栽培するとき) |
苗 | (少量栽培するとき)※初心者は苗からの栽培がおススメ |
ここでは、カリフラワーの品種や栽培時期といった、カリフラワーの特徴についてお話しますね。
【品種】
カリフラワーはアブラナ科で、ブロッコリーの仲間です。ただし、ブロッコリーのようにわき芽が成長して何度も収穫できるということはありません。収穫は1回(1個)だけになります。
収穫するまでにかかる期間により早生種、中生種、晩生種に分けられます。
早生(わせ)種 | 苗の栽培期間は短いが、花蕾が小さい |
晩生(おくて)種 | 苗の栽培期間は長いが、大きな花蕾を収穫できる |
どんな大きさの花蕾を収穫したいかで、品種を選びましょう。
晩生(おくて)は栽培期間が長い分、苗を植えつける時期には注意しよう!
気温が下がり花蕾が大きくならないことも
【栽培時期】
カリフラワーの栽培時期は、種をまく時期によって、2通りあります。
春まき | 2月ころ種まき、4月ころ苗植え、5~6月ころ収穫 |
夏まき | 7~8月ころ種まき、8~9月ころ苗植え、11~2月ころ収穫 |
カリフラワーは春と秋の2回栽培ができるのね!
カリフラワーがよく成長する気温は、昼間20〜25℃、夜間10〜18℃です。また、花蕾ができるには、一定期間低温で育てることが必要です。そのため、ある程度苗が成長して花蕾ができるころに気温が下がっていく夏まきが、初心者の方には栽培しやすいためオススメです。
カリフラワーの栽培の一連の流れと作業手順をご紹介しますね。土づくりから収穫まで、苗づくりを入れると6ステップ、苗を購入すると5ステップで、カリフラワーが収穫できますよ。
土づくりがカリフラワーの栽培には重要です。苗を植える時期から逆算して、土づくりを行っていきましょう。
【1ヶ月~2週間前】苦土石灰を1m2あたり約100g(2握り)をまいて、クワで耕します。土壌pHは6.0〜6.5が目安です。
【1週間前】土を約15cm掘って、堆肥を1m2あたり約2kg、化成肥料を1m2あたり約150g(3握り)をまいて、土を戻します。
【定植(苗の植え付け)当日】畝高さを約15cm、畝幅を約40cm(1列植えの場合)、約120cm(2列植えの場合)として、クワを上手く使って畝を作ります。
大量にカリフラワーを栽培する場合、種から苗を育てるとかかる費用も安くなります。ただし、初心者の方は苗から栽培する方が簡単で失敗も少ないのでオススメです。苗づくりでは、次の①~④でよい苗を育てましょう。
【①種まき】
深さ約1cm、間隔約1cm、で種をまきます。
・箱(トレイ・小さなポット)植え:1箱あたり1~2粒
・ポット植え:1ポットあたり3~4粒
約5mm覆土し、たっぷり水やりをします。濡れた新聞紙や寒冷紗、よしずなどで覆い、涼しい日陰に置いておきます。
【②発芽】
発芽したら、日当たりのよい場所に移動させます。
【③間引き】
本葉が2枚になるころ、成長のよい1本を残し、それ以外を引き抜きます。
※真っすぐ伸びているか、葉の開きがよいか、虫がついていないかを残す芽の基準にするとよいでしょう
【④移植(箱植えの場合のみ)】
③のあと、苗をポットに移植します。
定植の目安は、春まきだと本葉4枚(約35日)、夏まきだと本葉5〜6枚(約30日)となっています。
時間はかかりますが、ここで立派な苗を作っておくと失敗も少なく丈夫な株に育つので大事です。
苗が準備できたら、定植します。株間は40〜50cmと広めにとります。株間を広めにとることで大きな花蕾の株に育てることができます。苗を植える前に、ポットと苗を植える部分に水を染み込ませ、給水させておくのがポイントです。
また、アオムシなどの害虫を防ぐため、定植したらすぐに防虫ネットを設置します。
害虫の被害に逢いやすい時期なので防虫ネットは積極的に使うようにしようね!
定植から約2週間後、中耕と追肥を行います。中耕とは、畝の間や苗の間を軽く耕すことです。中耕を行うことにより、土に適度に空気が入り、カリフラワーの成長が促進されます。追肥は、1株あたり約50gの化成肥料をまきます。また、カリフラワーは背丈があって倒れやすいので、根元に土寄せを行い、苗を安定させます。
中耕・追肥・土寄せを行ってから2〜3週間後に、再度、中耕・追肥・土寄せを行います。カリフラワーの花蕾を大きく育てるには、株自体を大きく育てる必要があるので、この作業はしっかりと行いましょう。
株が成長していくと、主枝の中心に花蕾ができてきます。花蕾が大きくなってくると、葉の間から花蕾が出てくるので、直射日光や寒さから守る必要があります。花蕾の保護の方法として、外葉を束ねてひもで結ぶ方法と、外葉を1枚切り取って花蕾にかぶせておく方法があります。寒さが心配な場合は、ひもで結ぶ方法がオススメです。
花蕾が日光に触れないようにすることで真っ白なカリフラワーが収穫できるのね
いよいよ、カリフラワーの収穫を迎えます。花蕾の直径が約15cmになったころが収穫時期です。ナイフなどを使用して、花蕾の根元から切って収穫します。
ここでは、カリフラワーの栽培時におけるトラブルや病害虫対策についてお話します。
カリフラワーの苗を育てるときは、次の3つのトラブルが特に多いです。
徒長 | 茎が細く、根から葉の間隔が長くなってしまう |
立枯れ病 | カビのせいで、苗が腐る病気 |
害虫 | 特にアオムシがつく |
トラブルが発生したら、それぞれ次の対策を講じましょう。
徒長 | 芽が出たらすぐに日当たりのよいところで育てる |
立枯れ病 | 水は朝のみにやり、夕方には乾いている程度にする |
害虫 | 防虫ネットを使用する |
カリフラワーを定植した後、苗が大きく育たないことがあります。原因は肥料不足だと考えられます。そのため、しっかりと追肥をし、同時に中耕・土寄せも行いましょう。
白色の花蕾の場合、直射日光や寒さから、ダメージを受けてしまいます。外葉をうまく活用して、花蕾を保護しておきましょう。
また、収穫時期を逃すと、食感が悪くなってしまうので、収穫時期を守るようにしましょう。
野菜栽培では病害虫の対策が大事です。ここでは、カリフラワーの栽培で特に発生しやすい病害虫についてご紹介します。
育苗時の立枯れ病のほか、次の病気が発生しやすいです。
軟腐病 | 細菌による病原菌が葉の傷口などから侵入して腐敗させる病気 |
黒腐病 | 細菌による病原菌が葉の傷口や水孔などから侵入し、葉などの変色や枯死を起こす病気 |
根こぶ病 | カビによる病原菌により、地表近くの根にこぶが多数つく病気 |
モザイク病 | アブラムシなどが持ってきたウイルスにより、葉にモザイクができ、葉が縮れてくる病気 |
アオムシ、ヨトウムシ、コナガ、アブラムシ、などが発生します。
病害虫が発生した場合、すぐに対策することが被害を広めないために必要です。ここでは、病害虫の対策法や予防策をお話しますね。
どの病気が発生しているかを見極めて、その病気に対応する農薬を散布します。根こぶ病は苗の植え付け前に土壌のpHを苦土石灰で調整することで、予防が可能です。病気になった苗は、畑から持ち出して、処分しておきましょう。
定植時に防虫ネットを設置することで、害虫が入ってくるのを予防します。それでも害虫が入ってきた場合は、農薬を使って害虫駆除します。
ここで、カリフラワーの栽培で気をつけたいポイント3つをご紹介します。
苗が成長する時期はちょうど気温が高めであり、害虫の動きが活発です。そのため、害虫がつきやすくなる時期なので注意が必要です。あらかじめ、定植時の防虫ネット設置などで予防すると効果的です。
カリフラワーの花蕾を大きくするためには、葉を大きく成長させる必要があります。きちんと中耕・追肥を行うことで初期生育が良くなるので、この作業は遅れずにやるようにしましょう。葉がたっぷりと茂らなければ小さなカリフラワーしかできません。ここが栽培の頑張りどころです。また、土寄せして株元を固定することで生育が良くなります。
収穫のタイミングが遅れると、花蕾の表面がザラザラしてきて、食感が悪くなります。また、色付きの品種の場合、色が抜けていくことがあります。カリフラワーを早めに収穫するのは、花蕾の品質に問題ありません。そのため、収穫するタイミングを逃さないようにしましょう。
収穫期を逃すと真っ白なカリフラワーが・・・・
このポイント3つを守ることによって、大きくて美味しいカリフラワーを収穫できますよ。
じゃあ、最後にまとめだよ!
最後に、今までお伝えしてきたカリフラワーの栽培方法についてまとめますね。
まずは、カリフラワーの栽培に必要な用具・肥料などを用意しましょう。種から育てるか、苗を購入するかは、カリフラワーの栽培規模で決めるといいですよ。
カリフラワーの栽培時期は、種をまく時期によって、春まきと夏まきの2通りがあります。家庭菜園で育てるなら、夏まきがオススメです。
カリフラワーを種から育てる場合、徒長や苗の立枯れ病などに注意して、立派な苗を育てましょう。
定植時のポイントは、定植後すぐに防虫ネットを設置することです。このひと手間で、害虫の侵入を予防できますよ。
定植後の中耕・追肥・土寄せを2回しっかりと行うことで、大きな葉を育て、花蕾を大きくできます。
カリフラワーの栽培のポイントとして、
①苗が小さいうちは害虫に注意すること、
②追肥・土寄せで葉を大きく育てること、
③収穫時期を逃さないこと、の3つがあります。
このポイントを守ると、大きくて美味しいカリフラワーをゲットできますよ。
手間はかかりますが、その分、収穫したてのカリフラワーが収穫できます。
以上のポイントを踏まえて、大きくて美味しいカリフラワーを栽培しましょう。