丸々と大きな玉ねぎ。
玉ねぎは血液もサラサラにする成分も入っており、栄養価も高いので体にすごくいい野菜の一つです。
その野菜を自分で栽培して収穫をし、食べることができたら嬉しいですよね。
今回は、そんな玉ねぎ栽培で失敗しがちな「トウ立ち」をさせないようにする3つのコツをお伝えしていきます。
私は畑で野菜栽培をはじめて10年になります。
年間で約40種類の野菜を栽培しています。失敗と成功繰り返しですが
自分で育てて収穫した野菜を食べるのは格別です
目次
「トウ立ち」とは、玉ねぎが花を咲かせ種子を残そうとしている状態のことを表しています。
画像の玉ねぎのように、先端に帽子がついたようなつぼみをつけた茎がピーンと伸びています。
一般的にはネギ坊主とも言いますね
玉ねぎにとっては子孫を残すために必要ですが、人間が食べる時にはデメリットが多いです。
トウ立ちすることによって、種子に栄養がいくので球自体に栄養がいかなくなり小さく出来の悪い玉ねぎができてしまいます。
また、硬い芯のようなものが玉ねぎの中にできてしまい食感が悪くなります。
玉ねぎは長期保存に向いている野菜の一つですが、トウ立ちした玉ねぎは痛みやすく、長期保存には向きません。
なので、玉ねぎを栽培する時は「トウ立ち」させないことが一つのポイントとなります。
玉ねぎの苗には、「早生種・中生種・晩生種」の3種類があります。
【早生種】
早生種は、9月中旬から下旬にかけて種まきをし4月中旬以降に収穫をします。
早生種は苗を植えてから収穫までの期間が短く、貯蔵には向いていません。
早生種でトウ立ちしにくいのは、
- 絹てまり
- アリオン
- 貴錦
- ソニック
- 浜笑
- 濱の宝
があり、中でもソニックが有名です。
【中生種】
中生種は、9月中旬から下旬にかけて種まきをし5月下旬から6月上旬にかけて収穫をします。
成長は早生種と比べてゆっくりで、収穫期間が長いです。
また、貯蔵に向いているので大量につくる時にこの品種を選ぶといいでしょう。
中生種でトウ立ちしにくい品種は、
- アトン
- ターボ
- ケルたまルビー
などがあります。
【晩生種】
晩生種は、9月中旬から下旬にかけて種まきをし6月中旬から下旬にかけて収穫をします。
成長は早生種や中手種と比べてゆっくりで、収穫期間が長いです。
中手種同様、大量に作るのに良い品種で貯蔵に向いており、最長だと9ヶ月間貯蔵できます。
晩生種でトウ立ちしにくい品種は
- ケルたま
などがあります。
早生種・中生種・晩生種の3種類の中でも色々あり、その中で上記のようなトウ立ちしにくい品種を選ぶことで、トウ立ちを防ぎましょう。
玉ねぎは一定の大きさの時に、一定の低温に一定期間さらされていると、花芽分化する性質があります。
具体的には、土から見えている部分の茎が10mm以上の太さの時に低温にさらされると、トウ立ちしてしまう性質があります。
ですので、苗を植え付けるタイミングは、茎の太さが直径5〜6mm(鉛筆くらいの太さ)になった時です。
それより茎の直径が大きい時に植え替えると、春にとう立ちしやすくなります。
逆に、それよりも細いと霜で枯れてしまったり、玉ねぎの球が小さくなったりします。
この茎の太さが直径5〜6mm(鉛筆くらいの太さ)という基準が、玉ねぎが春にトウ立ちするかしないかの境目になります。
鉛筆くらいが標準なんですね!太ければ太い方が元気でいいと
思ってました
太すぎるとトウ立ちの原因になるので注意が必要だね!
また、玉ねぎはタネまきをしてから約55日程度で植え付けができる苗に育ちます。
しかし、苗の植え付けが遅れてしまい、根付く前に冬の寒さにまけ、枯れてしまいます。
反対に、植え付けのタイミングが早すぎた場合、その苗が大きくなりすぎて冬を越せたとしても春にはトウ立ちしてしまいます。
玉ねぎの苗を買ってきて、そこから育てる場合はその苗が小さかったり、大きすぎるとトウ立ちする可能性が高くなります。
なので、苗を買う時点で茎の太さが直径5〜6mm(鉛筆くらいの太さ)の苗を選ぶようにしましょう。
間違って小さい苗や大きい苗を買って失敗するのはもったいないです。
玉ねぎは、肥料の過不足、肥料過多、水を多く与えられる、急激な温度変化といった、外部からのストレスにさらされるとトウ立ちします。
理由としては、玉ねぎが外部からのストレスを感じた時に本能的に子孫を残そうとします。
その結果、早くタネをつけようとするのです。
玉ねぎは冬を越す時に、成長が止まります。
なので、春まで追肥をする必要がありません。
成長が芳しくないからと冬の期間に肥料を与えすぎると、トウ立ちの原因になります。
しかし反対に、肥料を全く与えない、つまり肥料の過不足でもトウ立ちの原因になるので注意が必要で苗を植え付ける際には適切な肥料を与えるようにしてください。
苗を植え付ける時の畑の準備として、植え付け1週間前までに苦土石灰:100~150gを混ぜておきます。
植え付け当日に
- 完熟堆肥:2kg
- 肥料:160g(チッソ6:リン酸8:カリ6)
- 熔リン:50g
を混ぜ耕します。
また、タマネギマルチを張り、株間、条間とも15cm間隔に開けて穴を開けます。
雑草を防ぐ効果もある黒色のマルチを貼るのがおすすめです。
私は玉ねぎマルチはダイソーで購入しています。あらかじめ等間隔に穴が空いていますので効果的に作業ができます。
以上が玉ねぎ栽培でよくある失敗の「トウ立ち」をさせないポイントです。
ではまとめです。
トウ立ちをさせないポイントは
- トウ立ちしにくい品種を選ぶ
- 適切な時期に植え付けをする
- 水と肥料の量を調節する
です。
玉ねぎの品種(早生・中生・晩生)それぞれにトウ立ちしにくい品種があります。その品種を選んで栽培するのがおすすめです。
また、約5〜6mmの鉛筆の太さほどの苗を選んで植えつけます。寒くなり気温が下がると苗の成長が止まります。そうなる前までに苗を土に根付かせることがひつようです。よって苗を購入する場合は11月中旬くらいまでには植えつけ作業を終えるようにしましょう。
またタネから栽培する場合は苗の成長と植えつけタイミングを合わせての種まきが必要で慣れるまで苗を購入しうえつけることをおすすめします。
3.の水と肥料に関しては苗の成長が止まる冬の期間は水と肥料は不要です。この時期に必要以上にあげてしまうとトウ立ちの原因になりますので注意しましょう。
特に、2.適切な時期に植え付けをすることが重要です。
早い段階で植え付けをするとトウ立ちするだけでなく、遅い時期に植え付けをすると大きく育たないだけでなく枯れてしまいます。最近は年々気温が読みにくく昨年の気温データが参考にならないケースが増えています。ネット情報(私はヤフーの天気で週間の天気・気温と前年の気温を参考に植えつけしています)を参考に植えつけ計画をたてるとよいでしょう。
以上が玉ねぎ栽培でよくある失敗の「トウ立ち」をさせないポイントです。
少しでも美味しい玉ねぎを失敗せずに作るための参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。