2020年6月「ときめきガレージブログ」開設しました!

トマトのプランター栽培方法と美味しく育てるためのコツ3つ

トマトは、サラダやお弁当の彩りに欠かせない存在ですよね。抗酸化作用のあるリコピンなど身体によい成分も多く含まれています。スーパーや八百屋さんなどで販売されているトマトは、店頭に陳列されるときに赤くなるように、青い状態で収穫されています。家庭菜園だと、完熟トマトを収穫できるのが魅力的です。畑だけでなく、自宅のベランダを利用して、プランターでトマトを栽培することが可能ですよ。

この記事では、トマトをプランターで栽培したい方に、栽培から収穫までの手順や栽培方法、失敗しないために気をつけておきたい栽培のコツを紹介します。この記事を読めば、自宅のベランダで完熟した美味しいトマトを収穫できますよ。

トマトをプランターで栽培する方法|トマトの栽培の特徴・時期

トマトの栽培の特徴について、簡単にご紹介します。トマトはナス科の野菜で、ナスやじゃがいもと同じ仲間です。原産地は、アンデスの高地とされています。トマトはサイズや色などで分類され、たくさんの種類が存在します。最近は、栽培方法を工夫して果物並みの糖度を実現したフルーツトマトが人気です。

5月に苗を植え付けて、7~9月と長期にわたって収穫できるのも嬉しいですね♪

トマトをプランターで栽培する方法|苗の選び方

トマトの栽培は、種をまいてから苗になるのに約70日かかるので、初心者の方は種からでなく苗から育てるのがオススメです。中でも、接ぎ木苗は少々高価ですが病害に強く栽培に失敗しにくいのでおススメです。

トマトのよい苗の選び方を5つご紹介しますね。

  • 葉の緑色が濃くて厚みがある
  • 子葉(双葉)がしっかりと残っている
  • 蕾(つぼみ)か花が付いている
  • 新芽(苗の先端)に勢いがある
  • 病害虫がない(葉に虫がついていない、葉が斑模様(まだらもよう)になっていたりしない)
  • 葉の間隔が間延びしていない
  • 苗が大きすぎない

葉は、硬く厚みがあって、緑色が濃いものがよい苗です。茎は真っ直ぐに伸びていて、節間(葉と葉の間)が縮まっている苗がいいです。双葉の子葉は、ギザギザした本葉と比較すると、細身の葉です。子葉が残っているものを選びましょう。トマトでは、蕾(つぼみ)や花が咲かないまま生長してしまう場合がある、「つるボケ」という現象です。肥料分が多すぎるときに、蕾や花を作らずに、葉や茎だけを生長させてしまいます。そのため、蕾(つぼみ)や花が付いている(第1花)苗を選ぶのがオススメです。苗の先端である新芽に勢いがあると、今後の生長にも勢いが出ます。葉の表面だけでなく、葉の裏側も見て、病害虫が付いていないかを確認するのも忘れないようにしましょう。

また、トマトの品種選びも悩むところですね。トマトの品種には「ミニトマト」「中玉トマト」「大玉トマト」の品種に分かれます。これからトマト栽培をはじめる初心者の方にはミニトマトの栽培からはじめるのがおススメです。栽培に手間がかからないことと数が多く長期間収穫できます。

トマトをプランターで栽培する方法|プランターの選び方

トマトは、横にも真下にも根をしっかりと張るため、たくさんの土と体積(幅と深さ)が必要となります。苗1株あたり、丸型で直径30cmで深さ30cm以上、長方形型で幅約30cmで深さ30cm以上が目安です。野菜栽培用だと、プランターの横にスリットが入っていたり、支柱ホルダーが付いているものがあります。生長に応じて支柱を立てるので、支柱ホルダーがあると便利ですよ。

トマトをプランターで栽培する方法|必要な用具や肥料

トマトを栽培するのに、必要な用具や肥料などをご紹介します。

培養土必要な栄養素が配合された野菜用培養土が初心者にオススメ
化成肥料N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=8:8:8、とバランスのよいものがオススメ(油かすもオススメ)
大玉トマトやミニトマトなど、育ててみたい種類のものを用意
プランター・鉢丸型や長方形など植えたい苗の数に応じて、適切なサイズや数を用意
鉢底石・鉢底ネットプランターで栽培するときの必需品で、プランターの穴から土や肥料の流れ落ちを防止
スコップ苗の植え付けのときに使用
支柱・麻ひも誘引をして苗を安定させるために使用
手袋わき芽かきで使用
トマト栽培に必要な用具や肥料

トマトをプランターで栽培する方法|栽培の一連の流れと作業手順

ここでは、トマトの栽培の一連の流れと作業手順について、順番にお話しますね。

苗の植え付け

次の手順でプランターに苗を植えていきましょう。

  1. プランターに植え付ける2時間前くらいに、苗にたっぷりと水やりをする
  2. プランターの底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を鉢底ネットが見えなくなるまで敷き詰める
  3. 土をプランターに入れる
  4. プランターの中心に、苗の根鉢(根と土のかたまり)が入るサイズのくぼみを作る
  5. 苗をポットごと軽くひっくり返して、根鉢を崩さないように取り出す
  6. 根鉢を土のくぼみに植え付ける
  7. 苗が倒れないように土寄せ(根元に土を寄せる)し、土の表面を軽く押さえる
  8. たっぷりと水やりをする

植え付け時の注意点は、5番目の手順で苗をポットから取り出す際に、無理に引っ張ると茎が折れたり、根が切れたりする可能性があります。茎や根にダメージがあると、その後の生育が大幅に遅れるので注意しましょう。

苗を植え付けたあとは、日当たりや風通しのよい、雨が直接当たらない場所に移動させましょう。苗を植え付けた直後に最低気温10℃以下の低温状態が10日以上続くと、葉のふちや茎が紫色になるなど、生長に悪影響が出ます。最低気温が低くなる日が続きそうなときは、室内の日当たりのよい場所に移動させましょう。

支柱立て・誘引

苗を植えたら、生長過程で茎が折れたり苗が倒れたりしないように、苗のそば10cm位のところに支柱を立てます。麻ひもなどで支柱と茎を結ぶ、誘引を行います。トマトの生長に合わせて、1週間に1回程度、伸びた茎を誘引していくようにしましょう。誘引は、茎にひもをかけて、支柱との間で8の字形になるように結べば完了です。誘引のコツは、ひもで結ぶ際に、茎の方を多少余裕を持たせることです。茎は生長すると、だんだんと太くなっていくためです。

わき芽かき

1週間に1回、誘引をするタイミングで、わき芽かきを行いましょう。葉の付け根と茎の間から出てきたわき芽を摘み取る作業をわき芽かきと呼びます。わき芽の根元を持ち、下方向に持ってくると、簡単に取れますよ。わき芽かきは、病気の予防やトマトの実を大きくするために必要です。ハサミは使用せず、手で行うのがポイントです。ハサミを使うと、わき芽をとった傷口に刃が当たるため、病気に感染していた場合はほかのトマトも病気に感染してしまうおそれがあります。トマトの樹液にはアクが多いので、手袋をして作業するといいでしょう。

日々の水やり

苗を植えた後は、毎日1回午前中のなるべく早い時間帯にたっぷりと水をあげましょう。トマトが光合成を始めるときに、根に水が届いているのが理想です。葉に水がかからないように、根元を中心にプランター全体に水をあげましょう。プランターの底から水が流れ出てきたら、水やり完了です。約1週間で苗が土に根付いて、どんどんと生長していきますよ。

梅雨が明けたあとは、気温が上がってくるので土が乾きやすくなります。土の状態によっては、朝と夕方2回水やりをしましょう。夕方に水やりするかの確認方法は、割りばしを土の中に挿してみて、土の表面から10cmほどは乾燥していれば、水やりする目安です。過度に水やりをすると、水っぽいトマトになったり、根腐れや病気になったりしてしまいます。水やりをする前に、土の状態を確認するようにしましょう。

花が咲いて実が付いた後は、水やりはほとんど必要ありません。

摘心・摘果

苗の先端に手が届かないくらい生長したら、一番上の茎を切り取りましょう。これを摘心と呼びます。トマトは、葉3枚ごとに花が集まった花房ができます。茎から近い部分から順番に、第一花房、第二花房と言われています。第四花房が咲いたら、その上の葉を一枚残して摘心します。摘心で株の生長を止めて、実を生長させる方に切り替えさせられます。

花房には、4〜5つほど実を付けます。大きなトマトを収穫したい場合は、第一花房と第二花房だけ2つになるように小さな実を取り除きましょう。これを摘果と呼びます。残した2つの実に栄養分が集中するので、実が大きくなります。第三花房、第四花房の実は摘果せずに、自然に任せましょう。プランター栽培では、第三花房、第四花房の実はあまり大きくならないので、様々な大きさのトマトを収穫できますよ。

追肥

第四花房の花が咲くころに、化成肥料か油かすを軽く一握り(10g)与えます。追肥をした後は、株元に土を寄せる、土寄せを行うといいでしょう。トマトは肥料が多すぎると、茎や葉ばかりが生長して実がつかなくなる、つるボケという現象が発生しやすくなるので、肥料の与えすぎには注意です。適切な肥料の量だと、株全体の葉が濃い緑色になり、株の先端15cmのところの葉が平らに開いた状態になります。葉先が少し弓なりに垂れるくらいのハリのある葉が特徴です。

肥料が多すぎる場合は、株の先端15cmのところの葉が裏側に向かって反るようになります。株の先端の主枝が頑丈になり、根元の主枝よりも太くなる場合があります。肥料が多すぎる場合は、1回の水やりの量を増やして、肥料分を水で押し流してあげましょう。

肥料が足りない場合は、株の先端15cmのところの葉が細長くピンと張っていて、少し上を向くようになります。株全体と比較すると、先端15cmの節間が長くなって、葉の枚数が少なくなります。肥料が足りない場合は、肥料を与える頻度を上げるようにしましょう。

収穫

実がヘタの付近までしっかりと赤くなり、ガク(トマトのヘタの部分)が反りかえってきたら、収穫時期です。ヘタの上の部分に節があるので、ヘタを押さえながら上方向にねじれば、簡単に収穫できますよ。トマトは株が枯れるまで収穫可能ですが、真夏をピークにだんだんと収穫量が減ってきます。

トマトをプランターで栽培する方法|発生しやすい病害虫(病気・害虫)と対策・予防策

病気と対策

尻腐れ病と灰色かび病に気をつけましょう。尻腐れ病は、果実が黒褐色になる病気です。苦土石灰をまけば改善されますが、水溶性カルシウムを含む専用スプレーの散布がより効果的です。灰色かび病は、水のやりすぎなどの多湿が原因です。灰色かび病にかかった葉や花には、病原菌が住みついているので、病気になった部分は取り除いて処分しましょう。

害虫と対策

トマトで一番注意しなければならないのが、オオタバコガ、タバコガです。若い幼虫は新芽や蕾を食害しますが、成長すると果実に穴をあけて食害します。実から実へと渡り歩くため、1匹のオオタバコガやタバコガによって、せっかく育てたトマトがたくさん被害を受けます。日頃から、新芽や花蕾(からい)に卵が産みつけられていないか、果実のヘタの周りに5mm位の穴があいていないか、よく確認するようにしましょう。オオタバコガやタバコガは、実の内部を食害するため、小さな5mm位の穴がある実を見つけたら、それごと摘み取って処分しましょう。小さい穴が2つなら、すでにその実の食害が終わり、次の実を食害している可能性が高いです。そのときは、早急に穴があいた実がないか、確認しましょう。薬剤で対応できれば楽ですが、すでに害虫が実の中に入り込んでいることが多いため、薬剤を直接害虫にかけることができません。薬剤を使用する際は、新芽や花蕾を食害する若い幼虫がいる、6月中に行いましょう。

トマトをプランターで栽培する方法|美味しく失敗なく育てる3つのコツ

ポイント1:水やりの量を少なく調整

第四花房に実がなったら、水やりの量を少なめにしていくと、糖度の高い実を収穫できます。糖度の高いフルーツトマトも水分量を抑える栽培方法をとっています。プランター栽培だと、土の表面が乾燥してから水をあげても問題ありません。少し株がしんなりしてから水をあげても、しっかりと復活してくれます。しかし、土の水分が少な過ぎると、根から栄養分を吸収できなくなるので、水分の減らし方は状況を見て判断しましょう。

ポイント2:日光にしっかりと当てて光合成

直射日光に当てることで、光合成がしっかりと行われて、より実が甘く美味しくなります。葉が少なくて株に元気がなければ、光合成はしっかりと行われません。今まで行っていたわき芽かきを一旦ストップして、そのまま生やして葉の量を増やしましょう。葉が増えれば、光合成の量が増えるので、株も元気になって実に栄養分がいきます。

ポイント3:コンパニオンプランツを植えよう

コンパニオンプランツとは、近くで栽培することで、お互いの生長によい効果をもたらす植物のことです。トマトのコンパニオンプランツは、バジルとマリーゴールドです。バジルは、害虫を遠ざける効果があります。さらに、トマト料理との相性がよいため、食卓で活躍すること間違いなしです。マリーゴールドは、香りや根から発する成分で、害虫を遠ざけたり、病気を予防したりします。ネギやニラ、ミントなども病害虫予防に効果があります。

トマトをプランターで栽培する方法|まとめ

トマトをプランターで栽培する方法について、簡単にまとめますね。

初心者の方は、トマトは種からでなく苗から育てるのがオススメです。接ぎ木苗は少々高くなりますが、病害に強いので、栽培に失敗しにくいです。葉の緑色が濃くて厚みがあり、花や蕾が付いていて、新芽に勢いがある苗を選びましょう。

プランターを選ぶ際は、深さ30cm以上あるものを選びましょう。トマトは、根が下にも横にも張るからです。直径30cm以上、深さ30cm以上の鉢・プランターに1株が目安です。

トマトの栽培手順のポイントは、苗の植え付け、支柱立て、誘引、わき芽かき、水やり、摘心・摘果、追肥です。特に、1週間に1回の誘因とわき芽かきはしっかりと行いましょう。毎日1回の早い時間帯の水やりを習慣にするといいですよ。摘心・摘果をすることで、大きな実を収穫できます。追肥は、株の葉の状態を見ながらあげましょう。肥料の与えすぎは、葉や茎だけが生長して実が生長しない現象が生じてしまいます。

美味しいトマトを失敗せずに育てるコツは、実がなってからの水やりの量を少なく調整することと、日光をしっかりと当てること、コンパニオンプランツを一緒に植えることです。

スーパーなどでは出回っていない、完熟したトマトを収穫できるのが、家庭菜園の醍醐味ですよね。甘く美味しいトマトを家庭で楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事が少しでもお役に立てたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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