私は週末の休日を利用して貸し農園で野菜栽培を楽しんでいます。
野菜栽培を経験して9年になります。週末の数時間で畑作業ですが、
やはり失敗することなしに美味しい野菜を収穫したいものです。
ここでは、家庭菜園での初心者の方向けに、
週末だけの数時間を利用して、美味しい「秋じゃがいも」を
栽培する効果的な栽培方法やコツをまとめています。
ちょっとしたコツを知識として入れて始めるだけで無駄な失敗を防ぐことになるのでおススメです
・じゃがいも栽培にあたっての事前に注意すべきこと
・じゃがいもの栽培時期や手順、育て方のコツ
・収穫した後のじゃがいもを長期保存させる方法
目次
作物 | 科目 | 土壌pH | 推奨間隔 |
ジャガイモ | ナス科 | 5.5~6.0 | 2~3年 |
私は毎年、春と秋の年2回じゃがいのも栽培をしています。
栽培の手間が少なく、長期の保存もきくので、家庭菜園向けの野菜です。
春に植えるじゃがいもは、気温の低い時期なので
土壌の地温をいかにあげるかが大切、逆に秋植えのじゃがいもは
暑い時期に植えつけると地温が高すぎることが要因で
植えた種イモが腐ってしまうので植え方や時期に注意する必要があります。
また、じゃがいもは日光に当たると、表面が緑化し「ソラニン」という毒素のある物質が作られるため、
せっかくできた芋が食べれなくなってしまいます。
そこでじゃがいもを育て、いい芋を収穫するコツは
土寄せしてイモを地表に露出させないことが大切です。
・春じゃがいもはあたたかくなる前に植えつける
・秋じゃがいもは地温が下がるタイミングを見て植えつけする。
・できるだけナス科の野菜と連作・近い場所での植つけを避ける
・土寄せを定期的におこないイモの表面が土から出ないよう注意する。
栽培のポイントを頭に入れた上で栽培をすることで、
効果的に美味しいじゃがいもが収穫できますよ
秋じゃがいもの栽培時期は、お盆が明けの8月中旬~下旬が狙い目。
お盆の時期を境に徐々に気温が下がりはじめるので、植つけしたタネ芋も高温で腐りにくくなります。
8月中旬~下旬を目安に畝の準備、タネ芋の芽出しをして植えつけ準備おくと良いでしょう。
※芽出し方法は栽培方法で紹介しています。
・植えつけの2週間前(8月に入る頃)に植えつけ箇所の土を耕し、苦土石灰をまき酸度調整をおこなう
・1週間前に牛糞(じゅうふん)たい肥を漉き込む
・平鍬(ひらくわ)を使って10cm程度の溝を掘り15cm間隔で種イモを置く
・タネ芋とタネ芋の間に置き肥として鶏糞(けいふん)肥料をひと掴み置いていく
・タネ芋、肥料の準備ができたら溝を埋め戻す
・タネ芋が生長すると土からたくさんの芽がでてくる
・その中から太くて元気な芽を3本程度残し、残りは芽を抜き取る(芽かき)
・芽かきが済んだ後土壌に化成肥料を撒き、平鍬(ひらくわ)等で芽元に土寄せをおこなう
・成長にあわせ土寄せ&追肥をおこなう
【1回目】
・上記の芽かき作業のタイミング
【2回目】
・芽が大きくなり花のつぼみが出てきた頃(つぼみができる頃から芋が大きくなるため)
芽かき&花のつぼみがつくタイミング以外に芋が土の表面から出ないよう土寄せをおこなう
・芽が茶色になり枯れ始め、倒れた頃が収穫の合図
・芋を傷つけないよう株元を掘り起こし収穫する
・気温が下がり霜が降りる前に収穫を済ませる
家庭菜園に適したじゃがいもの品種はどう選べばよいでしょうか。
じゃがいもの品種にも色々ありますが、季節ごとに育てやすい品種があります。
秋に植え付けるのに最適な品種を紹介しますので参考にしてください。
品種 | 特徴 |
ニシユタカ | 中生種(栽培期間標準的)。多収穫が見込めます ホクホクした食感で、煮崩れしにくい。 煮物やカレー等に最適の品種です。 |
デジマ | 秋栽培の人気&定番品種です。 中晩生(標準より少し長め)多収穫が見込めます。 じゃがバターやポテトサラダに最適です。 |
アンデスレッド | 中生種(栽培期間標準的)。収穫標準的 しっかりした味わいでコロッケなどにおすすめ! |
定番品種以外では「アンデスレッド」がおススメです。表面はサツマイモのような褐色で
中身は黄色く栗のようにホクホクした味わいで美味しいです。
普段お店ではお目にかかれない珍しい品種が収穫できるのも貸し農園の楽しみの一つなので
ぜひチャレンジしてみてください。
土づくり(植付けの2〜3週間前)
・土壌pH5.5〜6.0を目安に酸度調整を行います。
必要に応じて「苦土石灰」を撒きましょう。
・株間30cm、畝幅50cm程度を確保して畝を立てます。
(株間が詰まると大きな芋に育ちにくくなります。
また畝幅を確保しておくと土寄せがしやすくなります。
・雨で種イモが腐らないように、畝を立てて水はけをよくしておきましょう。
使用する肥料とタイミングは?
じゃがいもは種イモの中に初期生長に必要な養分が含まれていますので、
元肥は少なくても十分育ちます。
元肥にはチッ素、リン酸、カリウムがバランスよく含まれ安価な
鶏糞肥料(けいふんひりょう)がおススメです。
タネ芋から根が伸び生長が進んだ時に肥料が効かせることができるように、
芋と芋の間に肥料を置いていきます(置き肥)。
秋栽培に適した種芋を準備します。(2〜3週間前)
次に植付ける種芋を準備します。
ホームセンターでは7月中旬くらいから並びはじめます。
秋じゃがいもに最適な品種を参考に種芋を選んでください。
注意:市販に食用として売っているものや、
昨年収穫したじゃがいもは種芋として植付けできません。
※土壌に病気が伝染する可能性が高くなるので注意が必要です。
種芋選びの注意点として、大きいものと小さなものがあると思いますので、
大きい種芋は「切って乾かして」植えつけます。
逆に小さいタネ芋は切らずに植えつけます。
秋栽培の場合は熱でタネ芋が腐るリスクが少ないのでおススメです
そのまま植え付ける場合にも切る場合も1個あたり60g程度が最適です。
1kg等袋入りで販売されている場合は、袋内のイモの個数で割ると
1個あたりのg数は計目安として計算できます
植える前の「芽出し」で生長を早める
種芋は植え付ける前、2〜3週間前に購入して
「芽出し」をしておきます。
「芽出し」をすることにより生長が早くなり、土中で発芽しないリスクを予防することができます。
芽出しの方法は、室内の直射日光ではなく間接光が当たる場所で保管しておきます。
高温は避け、風通しが良い場所がおすすめです。
じゃがいものくぼみから芽が出てきたら芽出しは成功です。
芽出しした種芋を植付けましょう
秋じゃがいもは8月中旬頃気温が下がり始める頃に植えつけます。
例年はお盆明けのタイミングで気温は下がってきますが、お盆を過ぎても暑さが続く場合もあるので、
ネットで週間予報を検索し過去の気温と比較すると植えつけタイミングがわかりやすくなります。
植え方は畝に10cm程度の溝を掘り、30cm間隔で種芋を並べます。
その種芋と種芋の間に一掴み程度の「鶏糞(けいふん)肥料」を置いていきます(置き肥)。
「移植ゴテ(スコップ)」が30cm程度なので、
株間を測る目安におススメです。
植えつけるタネ芋の向きは芽の出ている方を上に向けて植えます。
タネ芋に水分や養分が詰まっているので植えつけ時の水やりは不要です。
タネ芋を腐らせることがないよう乾いた土の状態で植えつけをしましょう。
芽が増えてきたら芽かき(間引き)をします(追肥1回目)
無事発芽して、芽が伸びて草丈20cmくらいになった頃、
芽が多く出てくるので、生育がよい太くて元気な芽を3本残してあとは取り除きます(芽かき)。
「芽かき」とは、養分を生長の良い芽に集中させ
大きく育てるために不要な芽を取り除くことです。
「芽かき」作業と同じタイミングで1回目の追肥&土寄せをすると効率的です。
畝の両端に肥料を撒き、土と一緒に株元に寄せると肥料が土と混ざりやすく肥料の効きが
良くなるのでオススメです。
また、私は追肥に使用する肥料は「鶏糞(けいふん)肥料」を使用します。
安価な有機肥料なのでおススメです。
追肥(2回目)・土寄せ(1回目)
じゃがいもは、実は茎を肥大化させたもの(塊茎)です。
そのため、イモは種芋よりも上にイモをつけるため芋が大きくなると地表に出やすくなります。
イモが地表に出ると、直射日光を浴びてしまい「緑化」して毒素を持ちます。
せっかくできた芋が毒化で食べられなくなることを予防するため
地表に出た芋に土を被せる「土寄せ」の作業は大切です。
雨が降り続くと畝の積み上げた土が流れて地表に出やすくなるので注意が必要です。
追肥の2回目のタイミングは芽が生長して、花の蕾がついた頃におこないます。
土寄せ(2回目)
土寄せも追肥同様に2回に分けて行います。
良いじゃがいもが数多くできるようここでもしっかり「土寄せ」しておきましょう。
収穫
株全体の色が黄変し枯れてきたら、収穫のサインです。
雨が降った後土壌が濡れている状態で収穫すると
芋が腐りやすくなりますので、
土壌が乾いた状態の際に収穫するようにしましょう。
週末だけの場合タイミングには泣かされることが多いですが・・・・
じゃがいもの保存期間を伸ばすコツは完全に芽が枯れて、
芋にしっかり皮がついてから収穫すると良いです。
また、収穫した後は、風通しの良い日陰の場所で自然乾燥させます。
新聞紙などで直射日光が当たらないよう目隠しして乾燥させても良いです。
乾燥させた後、ダンボールなどに入れて保管します。
腐った芋が混ざると他の芋に移リますので、
見つけた場合はすぐに取り除くようにしましょう。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。